開講に当たって

(一財)日本モンテッソーリ発達支援研究センター 代表 佐々木 信一郎

日本モンテッソーリ発達支援研究センター代表
佐々木 信一郎
(社会福祉法人聖母愛真会 理事長)

この度は、モンテッソーリ初級発達支援者コースへご参加いただきましてありがとうございます。

障害を持った子どもは、教師や保育士の側から困った子どもとみられがちです。しかし、実際には、子どもの方が、困っていることが多いのです。「そのため先生の言っていることを理解したい、分かりたいと思っているのに、何を言っているのか分からず、他児とは違ったことをしてしまう」などが起こります。その困っているところを理解し、支援につなげることが大切です。

その時に踏まえることは、モンテッソーリ博士がおこなった方法で子どもを観ることです。モンテッソーリ博士は、「子どもの中に真実がある」といっています。そして、子どもを科学的に観察し、調査し、実験をしました。また、様々な科学的な知見を学び、それを踏まえて子どもを観ました。それにより、子どもの新たな側面が発見され、モンテッソーリ教育法が開発されたのです。

本コースは、障害児、特に発達障害児の困り感を科学的に読み解き、支援につなげ、モンテッソーリ教育の準備をする、あるいは、モンテッソーリ教育環境で安定し、落ち着いた生活ができるようになるための支援を考えていきます。

また、本コースでは、与えられたことを学ぶ(覚える)と言うことではなく、皆さんおひとりお一人の想像力をフルに使って、考えることが必要です。一人の子どもをさまざまな方向から観察し、現代の実証科学でエビデンスのある知見に照らし考えることが必要です。

コースが終わる頃には、皆さんおひとりお一人の中に、子どもの見方、考え方が定着し、自分で考えていけるようになること願っています。それでは、1年間どうぞよろしくお願い致します。